イサム・ノグチのAKARI for Sketch

先週のゼミのスケッチは「イサム・ノグチのAKARI」シリーズの中より、奥においてある5ADと手前の1Nの二つの照明をピックアップしました。ゼミでは、いつものように、最初に僕のうんちくが少しあって、10分間でスケッチを描きます。

イサム・ノグチはアメリカで生まれた日系アメリカ人の彫刻家で、日本の伝統工芸に興味をもち、このAKARIシリーズは40年以上にわたって、デザインされ200種類ぐらいの照明シリーズを生み出しました。

奥においてある5ADは1950年ぐらいの初期の作品で、大きめで、岐阜提灯の老舗の「オゼキ」という会社とコラボレーションをしていて、提灯の特徴である口輪が上下についています。そして、当時は提灯は葬儀用であったため、模様をつけて葬儀用とはことなる雰囲気に仕立てたそうです。

手前の1Nは、月をあしらった形で、口輪がなくシンプルで、和紙の柔らかさを感じるコンパクトな照明。たぶん1960年ぐらいだと思います。

両方の照明ともに、足がポイントで、三本の足に床に接触する部分に丸い黒いゴムがチャームポイントになっている。そして、5ADと1Nはサイズが違うので、5ADの足は太く、黒いゴムも大きく、全体のバランスを整えています。

そして、忘れてはならないのは、この照明の構造です。輸送が容易なように折り畳んで組み立て式、電球のソケットに昔ながらの引っぱりスイッチをついて、電球のソケットからそのまま電源ケーブルに繋がります。部品点数が少なく、配線がないので壊れにくいです。この構造を見れば、イサム・ノグチが彫刻家に留まらず、優れたデザイナーであることは明白だと思います。

学生たちには、ぜひ、札幌のモエレ沼公園と札幌駅前のブラックマントラに行ってもらいたい。また、もう一つは四国の牟礼にあるイサムノグチ庭園美術館

下記はIsamu Noguchiの本の一ページ。黒いブラックマントラの彫刻と白い雪のコントラストが美しすぎます。そして、このブラックマントラという彫刻は、滑ることができて、彫刻を体験できることが素晴らしいです。これも、滑り台のデザインと見ることもできます。


僕は、ニューヨークにあるThe Noguchi Museumが大好きで、昨年の7月にも行ってきました。たぶん、これで4回目になると思います。なかでも、このミュージアムのカフェ・ショップに本棚のようなものがあり、この上部にいろいろなAKARIが並んでいる雰囲気が好きで、研究室にも、本棚の上にいろいろなAKARIを並べています。

もう一つだけ、40年間で200種類のAKARIを作り出した、イサム・ノグチのしつこさ、種類の多さも学生たちに学んでほしいことです。和紙という素材に着目した、イサム・ノグチが繰り返し、アイデアを広げ、改良を加えて、後世に残す。こんな、仕事ができたら素晴らしいと思いませんか。

最後に、イサム・ノグチはAKARIについて、次のように語ってるそうです。「あかりはその人の権威ステータスの象徴ではなく、貧富にかかわらず感性の証であり、暮しに質クオリティを与え、いかなる世界も光で満たすものです」。この「あかり」を「デザイン」に置き換えてみると、分かりやすいと思います。

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