2011年12月3日土曜日

デザインとコミュニケーション力(就活アドバイス)


デザイン系の就職活動のアドバイスの3つ目。

これまでに「ポートフォリオのアドバイス」と「デザイン系の就活アドバイス」を書いてみましたが、今回は「コミュニケーション力」。

デザイナーにとっても、コミュニケーション力はとても重要です。いくらデザインスキルがあっても、コミュニケーション力が不足している人は、企業では必要とされない場合が多いです。

コミュニケーション力とは「相手の気持ちを察知して、相手に分かりやすく魅力的に対応すること」。これって、ユーザー体験を考慮したデザイン(ユーザーエクスペリエンスデザイン)と同じ。ユーザーエクスペリエンスデザインの方が簡単なのは、時間をかけて計画的にできるが、コミュニケーションは一瞬に対応しなくてはいけない。つまり、本当に身についていないと一瞬に対応できないということです。

まずは、自分自身のコミュニケーション力のよい点と不足している点を自覚した上で、長期的な対応と短期的な対応を準備します。僕自身も不足点があって、なんとか改善したいと思っています。コミュニケーション力は、下記の3つが重要な要素となります。
1)良好なコミュニケーションをしたいというモチベーション
2)相手の気持ちを理解する力
3)相手に分かりやすく、魅力的に伝える力
この3つの要素について解説します。

自分は口べた、恥ずかしがりやなのでポートフォリオを見てもらって自分のスキルを評価して欲しいと思っているとしたら大間違い。まず、そのような気持ちを持っている人は失格。恥ずかしくても、相手と良好なコミュニケーションをとろう、そのために最大限の努力をしよう、そう思っている人の姿勢は相手にも通じるものです。

企業は現在でもコミュニケーションは大事ですが、今後よりグローバル化する状況でのコミュニケーション能力が期待されます。それは、語学力はもちろんですが、自ら積極的にコミュニケーションしようというモチベーションをもっていることが大前提となります。日本という同一文化にいて、説明をせずに分かってほしいというのは通用しません。

例えば、リチャードサッパーという世界でもっとも優れたデザイナーでさえも、自分のデザインを世にだすために最大限の努力します。相手に挨拶をする、ジョークで笑わせる、楽しい会話をする、自分の本をプレゼントする、食事をともにする、、、。彼はクリエイティブな時間は10%、90%は自分のデザインを世にだすための時間(主にコミュニケーション)を費やしていると言っています。

まずは、相手のことが分からなければ相手に分かりやすく伝えることはできません。相手の基本的な情報や相手の興味を理解する能力が必要です。

相手の気持ちを理解するためには、まずは事前情報の取得があり、相手との会話と観察が役にたちます。会話を円滑するためには、相手との信頼関係をつくることだと思います。これは心理学用語のラポールの形成です。信頼関係づくりには、たわいのない会話(答えやすい会話)から開始して、だんだんと深い会話に進む。また、相手の言ったことを繰り返してこちらで言うことで、理解を表明したように信頼関係が深まります。

日本を代表するプロダクトデザイナーの秋田道夫さんが、うちの研究室の観察して、次回のセミナーは、スケッチのワークショップをやりましょうと提案してくれました。研究室にスケッチが張ってあり、そのスケッチや研究室の状況を見てワークショップを提案してくれて、まさに研究室の期待に答えてくれたわけです。

ここでデザイナーのスケッチなどの視覚化能力は役立つが、実はそこに落とし穴があります。相手に分かりやすく伝えるためには「ことば」がもっとも役にたちます。デザイナーは「ことば」と「かたち」をデザインする必要あります。

どのような「ことば」にしたら、相手が理解をして分かりやすく伝えられるのか? そのためには相手への理解と尊敬が必要で、相手に分かりやすい説明をする姿勢が大事です。例えば、相手が技術者であれば、その技術者に分かる「ことば」で、相手が人事担当者であれば、人事担当者が分かる「ことば」で話す。僕も、これがうまくいかずおしかり受けたこともあります。

そして、コミュニケーションは一瞬にして行わなわなければならないことがありますので、時間をかけた素晴らしいスケッチよりも、手書きで分かりやすく表現したスケッチやインフォグラフィックが役にたちます。その場合も、スケッチやインフォグラフィックに適切な「ことば」と組み合わせることで分かりやすくなります。


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