2010年8月31日火曜日

Gio Pontiのサン・カルロ病院礼拝堂

プロダクトデザイナーのRichard Sapperがベンツを辞めて、ドイツからミラノに移り、最初に仕事を得たのがGio Pontiの事務所。Gio Pontiは建築家としても著名だったが、プロダクトも多く手がけていた。

今年の春に、僕らが宿泊したミラノのホテルにも近い、Gio Pontiが設計したサン・カルロ病院礼拝堂(The Chapel in the New St.Charles or San Carlo Chapel) に行ってきた。この教会は1969年に完成したそうです。

サン・カルロ病院は、ミラノ郊外にあるとても大きな病院。
病院の一角にこの礼拝堂がある。
北側は、窓など、六角形をモチーフしている。また、建物の全体が上空から見ると六角形になっている。また、外壁は六角形のタイルで覆われている。
入り口まで続く階段の手すりの造形が美しい。
階段の手すりと、入り口わきのコーナーの形状。
入り口の上には、彫刻と、屋上の造形がワンポイント。
内部は、コンクリートの柱、壁が骨格となり、船の内部のような印象。右側(北側)は六角形の窓が、左側(南側)は横のスリットの窓が表情を変えながらも、明るい光を呼び込む。

右側(北側)は六角形の窓からは、明るくしずかな光が入ってくる。
左側(南側)は横のスリットの窓と縦の窪みに聖人像が並ぶ。
横のスリットのような窓にはガラスが羽目殺してある。
ガラスまどの周りには、斜めの造形が美しい。
正面の祭壇は、異なる材料の質感を生かしている。
照明器具のデザインも、これを商品として発売してもよいほど完成度も高く、この建物にもあっている。
このような、館内の一つ一つの造形が完成度が高く、美しい。
多様なガラスブロックをはめ込んだステンドグラスのような窓が美しい。


西側から建物を見ると、幅が狭いのに気付く。それを強調するような木が周りを囲む。
東側も同様な造形だが、タイルが光輝いている。

南側の表情は、タイルに光が反射して、光り輝く教会を演出している。

印象としては、機能的で近代的な病院ビルに対比するかのように、工芸的で、美しく、明るいデザイン。病院に来た人たちの祈りの場所として、異次元でありながら、明るく美しさが、気持ちを慰めるのではないかと思った。

Gio Pontiは、細部まで丁寧に、工芸品やプロダクトのようにデザインしているのが、素晴らしいです。建物を見ていると、数々の美しい発見がある。

The Chapel in the New St.Charlesについてはこちらを参照
Gio Pontiについてはこちらを参照
Milanoでの活動についてはこちらを参照

2010年8月30日月曜日

ヒューマンインタフェースシンポジウム2010

9月7日(火)より10日(金)まで、立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)にて「ヒューマンインタフェースシンポジウム2010」が開催されます。

このイベントにあわせて、いろいろな活動をまとめてみました。滋賀と京都はまだまだ暑そうですが、いろいろと人たちと出会いがありそうです。

ヒューマンインタフェースシンポジウム2010 講習会
日本インダストリアルデザイナー協会のメンバーで講習会を開催します。
会場:立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)
日時:9月7日(火)10:30-17:10
タイトル: 「HIとプロダクトデザイン、より魅力的な商品の企画開発のために」
詳細:ヒューマンインタフェースシンポジウム2010講習会 申込

プログラム
10:30-12:00 プロダクトデザインの基本、住宅設備機器のプロダクトデザイン事例、山内 勉(福井工業大学)
・プロダクトデザインの背景
・社会とプロダクトデザイン、企業とプロダクトデザイン
・住宅設備機器のプロダクトデザイン事例

13:00-14:25 プロダクトデザインのプロセスとユーザー調査、情報機器のプロダクトデザイン事例、山崎和彦(千葉工業大学)
・デザインプロセス、アドバンスドデザイン
・ユーザー調査のための手法
・情報機器とプロダクトデザインデザイン事例

14:35ー15:30 プロダクトデザインのコンセプトと評価、デザイン思考のアプローチ、 山崎 和彦(千葉工業大学)
・プロダクトデザインのコンセプト
・デザイン評価
・デザインイノベーションとデザイン思考のアプローチ

15:40-17:10 プロダクトデザインにおける視覚化、医療機器のプロダクトデザイン事例、塚原 肇(実践女子大学)
・プロダクトデザインにおける視覚化
・医療機器のプロダクトデザイン事例

ヒューマンインタフェースシンポジウム2010 口頭発表・パネル発表
山崎研究室関連で、以下の3つの発表があります。
会場:立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)
口頭発表・パネル発表の内容:


8日(水)13:00-14:20 「電子書籍アプリのユーザビリティ評価」、堀江佑介、山崎和彦(千葉工大)

8日(水)14:30-16:10 「ユーザーエクスペリエンスデザインのためのデザイン発想手法の提案」、山崎和彦(千葉工大)

9日(木)10:30-11:50 「初心者に適したインスペクション法の研究」、為我井敦史(京セラ)、山崎和彦(千葉工大)、堀雅洋(関西大学)

■HCD-Netパーティ in 京都
こちらは、HCD-Netのメンバーを中心に、京都で「おいしいモノを楽しみ、おいしいインタフェースを語る」会です。
タイトル:HCD-Netパーティ in 京都
日時:9月8日(水)18:00-20:50
会場:十二季家 歓 京都店(JR京都駅八重洲口より徒歩3分)
京都府京都市南区東九条西山王町31 京都アバンティーB1
主催:HCD-Net
参加費: 会員:4,000円、一般:5,000円
詳細及び申込:HCD-Netの詳細ページより
内容:
・ヒューマンインタフェースとHCDに関する話題提供
・ディスカッション・懇親会
話題提供者:
・安藤昌也氏(産業技術大学院大学・助教)
・伊藤潤氏(ソニー・Distinguished Engineer)
・和井田理科氏(日本ビクター(株))
・山崎和彦氏(千葉工業大学・教授)


インダストリアルデザイナー協会+デザイン学会

先週、六本木のアクシスビルにて、日本インダストリアルデザイナー協会のPD検定/CPD部会のメンバーと日本デザイン学会の事業委員会のメンバーが打合せをしました。

今回は、プロダクトデザイン検定制度と継続教育(CPD)に関連して、二つの団体のコラボレーションについて検討されました。千葉工大の佐藤先生と僕は、両方のメンバーでもあるので、立場が微妙なところもありますが、両方の組織の目標と利点を生かすアプローチについて議論ができました。

今後、プロダクトデザインを手始めに、産業界とアカデミーの世界が、より協力することで、日本のデザイン界が少しでも、向上できるとよいと思います。

この会議の中では、8月末より、いよいよプロダクトデザイン検定制度(PD検定)の申込が始まり、どのようにプロモーションするかについても検討されました。今年の秋には、いろいろな場所で、告知されると思います。

2010年8月29日日曜日

横須賀美術館でムナーリ展

ブルーノ・ムナーリ展の最終日に、横須賀美術館に行ってきました。横須賀美術館は、山本理顕さんの建築と廣村正彰のグラフィックも、見たかったので一石三丁。

ブルーノ・ムナーリの展覧会は3回目ぐらいだと思うが、いつも新しい発見がある。そして、少しづつ、ムナーリの意図が分ってきた。今回の展覧会に来て、もっともっとムナーリのことを学ばなくてはと、痛切に感じた。50年前に、ここまで考えて、作品を作っていたとは。

今回の展覧会でのメモ、、、
・ムナーリは、「役に立たない機械」など、技術とアートの関係、すなわち、デザイナーやアーティストが技術を人間のために活用できる例を示す実験的な作品を提案していた。

・重厚化、権威化、商業化していく現代の美術やアートに対する批判を、ムナーリは「折りたたみのできる彫刻」や「旅行のための彫刻」で示していた。

・インフォメーショングラフィックスの原点としての「未地の国の読めない文字」や「ムナーリのフォーク」などの作品で示し、これからのコミュニケーションデザインの在り方を示唆した。

・ムナーリは、アート、プロダクト、グラフィックとか情報デザインとか、デザインやアートを細分化することの意味のなさも、明確にしている。なぜならば、おとな達やこども達に、どのような体験をして欲しいかだけを考えているからだ。

・ムナーリの言葉、「まだ間に合ううちに、ひとは思考したり、想像したり、空想したりクリエイティブでいる習慣を身につける必要がある。」 


今回は、入り口をはいってすぐに、子供のための部屋のようなものが用意されていた。
上から、「折りたたみのできる彫刻」を撮影。

廣村さんのサインを撮影。



階段のサインがかわいい。
山本理顕さんの建築。
全体的に、丸い穴のようなところから、光が落ちる。
正面。
正面の左側には、観客席のような場所もある。丸い穴にむかう、螺旋階段。


素晴らしい環境の図書館。

海がよく見える。
屋上は、海と山を、のんびりと感じる空間。
有機的な屋上の柵。

屋上は山へ繋がる。
廣村さんの特別講義も参照
横須賀美術館はこちら
・ブルーノムナーリについてはこちらも参照

2010年8月28日土曜日

グッドデザイン賞の二次審査

今年のグッドデザイン賞の二次審査が終了。

2日間で、審査委員会のメンバーが総出で、一次審査を通過した商品を審査。

僕らが担当しているユニット12の傾向としては、アジアの国のレベルが一段と上がってきたということです。コンセプトも明快で、造形的に完成度も高いデザインが、増えてきました。

また、複合プリンターなどを中心に、インタフェースデザインが向上している商品が増えてきたことです。

また、製品単体で新しい特徴を出すのは難しく、ある目的のために、ハード、ソフトやサービスなどのソリューションで解決するデザインが特徴的であることです。例えば、あるメーカーでは、学校の教育システム向上のためのパソコンを中心としたソリューションを提案していました。

審査中は照明を付けて、グッドデザインエクスポが始まると照明を落とすそうです。今年は、とてもシンプルな展示デザインで、ユニット番号をデザインのポイントにしています。

ユニット12は、パソコンやコンピューター周辺機器。プレーンの渡辺さん、千葉大の渡邉先生と僕の3人が担当しています。金曜日の16:00までに、二次審査と特別賞の作品を選定しました。それから、各自が「私の一品」の作品を開場全体より選定しました。僕が、最終的に選んだのは、、、
今回は、研究室より5人の学生がアルバイトとして審査のサポートに参加。3年生の清水君も隣のユニットでサポート中。学生時代に、このような経験をできるのは、本当にラッキー。審査委員が何を考え、何を議論していたのか、忘れずにいて欲しい。
グッドデザインエクスポは日曜日の夕方まで開催していますので、ぜひ、行ってみてください。
会場で、気になったデザインは、これから順次、アップしていきます。

2010年8月27日金曜日

エコデザインで調和のある暮らし

今年のエコデザイン展に連動して、エコデザインのセミナーを開催します。今回は、楽しく生活するエコデザインという視点でのセミナーです。僕が話す内容は、まだ検討中ですが、生活や体験という視点からエコデザインを語れればと思っています。

タイトル:エコデザインで調和のある暮らし
日時:2010年9月25日(土曜日) 16:30~18:30
会場:リビングデザインセンターOZONE 8階セミナールーム(新宿パークタワー)
主催:リビングデザインセンターOZONE、日本インダストリアルデザイナー協会東日本ブロック環境委員会
参加費:無料、 定員:60名

写真は今年のエコデザインワークショップより

趣旨:
最先端のモノから普段使いのモノまで、機能性に優れ魅力ある製品として手放せないモノがたくさんあります。特に愛着の逸品には、想い出が一杯に詰まっており、単純には捨てられません。また半世紀を経てヒトが価値を見失い捨てられたモノには、新しい価値あるモノとして復活再生させるなど地道な動きも続いています。

一方、モノづくりはエコデザインを軸に以前とは考え方が様変わり、モノづくりからサービスへ、そして所有から共有への動きもあります。資源を制約しつつも役に立つモノとして、楽しく過ごせる生活とはどのようなものでしょうか。今求められているのは地球規模での環境・安全・安心です。人類共通の明るい未来について、エコデザインの現場からその可能性を探ります。

パネリスト
・石黒猛:1995年にロンドン、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート工業デザイン科修了。1996年に米IDEO社入社サンフランシスコ事務所に勤務し広くプロダクトデザイン、戦略にたずさわる、1998年「Rice Salt&Pepper」、2007年に加湿器「Chimney」がニューヨーク近代美術館永久保存に決まる。1999年同社東京に転勤し2001年退社。2002年から個人で活動を開始、プロダクト、アート、舞台演出など多岐に活動中。

・小林コウイチ:リ・デザイナー。デザイン事務所、家電メーカーを経て、2004年に独立。ID、グラフィック、webデザイン等を手掛ける。コクヨデザインアワード受賞。08年よりリユースプロジェクト/レディメイド委員会を開始、有志と共にカーボンオフセットや廃材リデュースを実現するためのリプロダクト提案を行っている。

・山崎和彦:千葉工業大学・教授。京都工繊大卒,クリナップ社デザイン室を経て日本IBMデザインセンター長,昨年より現職。東大博士課程満期退学,博士(芸術工学),人間中心設計機構副理事長。代表作品はThinkPad, iF賞 Top10など受賞多数。デザインの実践と手法研究。

ファシリテータ 
・石田聖次:ライティングデザイナー。照明デザイン事務所LIGHT SCENE 代表。自然光・人工光など、光が人に与える影響を考慮し、住宅のあかりから都市の光までを考え、空間および照明器具デザインを行う。

エコデザイン展はこちら
・これまでのエコデザインの活動はこちら

2010年8月21日土曜日

コア・ロボットデザイン・プロジェクトの発表予定

コア・ロボットデザイン・プロジェクトのDM(ダイレクトメール)ができました。

本学のfuRo(未来ロボット技術センター)と本研究室が共同で進めている「コア・ロボットデザイン・プロジェクト」の成果の一部を発表します。

オープンラボである「Smile Experience 2010」のイベントの一部として展示とデモンストレーションをしますので、ぜひおいでください。



タイトル:コアロボットデザイン・プロジェクト 「未来を歩く」
内容:二足歩行ロボットとその未来プロトタイプの展示
月日:9月17日(金)、18日(土)
展示:9月17日(金)10:00-20:00、18日(土)10:00-17:00
デモンストレーション:9月17日(金)13:00~、17:00~、18日(土)13:00~、15:00~
場所:千葉工業大学・津田沼キャンパス (JR津田沼駅より3分)電子電気実験室1階 fuRo Lab.
主催:千葉工業大学 fuRo(未来ロボット技術センター)、デザイン科学科山崎研究室


オープンラボ Smile Experience についてはこちらを参照