User Experienceとサービス原則

HCD-Netフォーラム2010「User Experienceが切り開くHCDの未来」に行ってきました。

基調講演の北島先生のお話しは、大学の講義を聴いているようで、とても勉強になりました。

User Experienceとサービス原則 北島 宗雄氏(産業技術総合研究所)

概要:人間の行動選択は、Experiential Processing SystemとRational ProcessingSystemの2つのシステム(Two Mindsと呼ばれる)が状況に依存して生成する反応の結果として捉えることができる。サービスの一形態であるユーザエクスペリエンスによりサービス受容者に高い満足度を経験させるためには、サービス受容時にTwo Mindsがどのように働くのかを適切に理解することが必要である。本講演では、その理解のための基盤であるMHP/RT(Model Human Processor with Real Time Constraints)、ならびにMHP/RTに立脚したサービス受容者理解のための方法である認知的クロノエスノグラフィー(CCE; Cognitive Chrono-Ethnography)を紹介する。また、CCE調査の結果を利用してサービス受容者の満足度に関与できることを示す。

■ユーザ理解の基盤
・実時間制約下のモデルヒューマンプロセッサ
■ユーザ理解のためのユーザ行動計測技術
・認知的クロノエスグラフィ
■User Experience時のユーザ行動計測・理解の事例


いつものようにメモをアップ。
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・日常生活とUser Experience 人間の行動選択の理解
・・仕事に対して、コンピュータを介した情報慮しタスク モデルヒューマンプロセッサ
・・余暇に対して、高い顧客満足、実時間制約下のモデルヒューマンプロセッサ
・サービスを利用する、繰り返してサービスを利用する、もう一度利用したいと思う
・サービスを介したUser Experience
・・サービスへの期待ーサービスを受けるーサービスを評価する
・Tow Minds 行動選択時に働く二つのシステム
・・経験的処理システム 論理的でない思考、全体的
・・合理的処理システム 論理的な思考、分析的
・体験の理解方法=時間制約下の行動選択
・・利用できるデータ(行動観察結果、サービス受容時の行動計測結果、サービス受容後を振り返って)

・人間の認知的行動過程
・・行動1 サービス受容している時
・・行動2 サービス受容行動をデータに基づいて分析する時(人間がどのように行動を思い出すか、正しく理解する)

・モデルヒューマンプロセッサ MHPとは
・・1983 Card, Moran adn Newll (Xerox) 仕事時間における行動シュミュレーション
・・3つのプロセッサー、2つのメモリー(長期記憶、短期記憶(知覚記憶・作業記憶))、10の動作原理
・作業記憶の特性
・・知識から引き出され作業記憶になる、
・・3項目しか保持できない、努力をおこなえば7項目
・・保持していられる時間にも限界がある
・・別の作業をすると、保持できる項目は1項目

・人認知行動過程:作業記憶を中心に
・長期記憶の特徴
・・将来できるように格納された知識
・・文脈依存記憶
・・自律システム

・多様なゴールの管理:人間の満足の由来
・・Desmond Morisの幸福の分類
・・認知階層
・満足感を決める3つのポイント
・・起伏があることが重要(単調にあがっていくのがよいわけではない)
・・失敗と成功の差が大きいことが重要
・・最終的な成果
・・最終的な到達点

・自律システムとしての記憶
・時間制約と利用される記憶の範囲の関係(時間制約がある場合は長期記憶を活用できなく作業記憶を利用する)
・意識処理と無意識処理の並列実行・同期
・自律自動制御機構主導モード:同期
・両機構異相自律活動モード:非同期
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認知的クロノエスノグラフィー(CCE:Cognitive Chrono-Ethnography)//
・CCEの3要素
・・Cognitive=認知的制約を考慮した理解
・・Chronology=時間軸で理解
・・Ethnolography=現場での観察に基づく理解
・CCEの手順
・・調査対象、クリティカルパラメータ、エリートモニター選定、現場での行動観察、表現空間を定義する、行動のモデル化
・CCE調査の例

事例:駅の案内表示を利用した駅施設利用行動 駅の案内サインの利用のしかたをしらべる
・サイン:遠方から見える情報、近くで見える情報
・右方向に行くという行動が選択さえるときの心的過程
・・駅のメンタルモデル、作業記憶
・・知識があり、じっくりみれば分かる
・調査の概要 プランニング、注意機能、作業記憶、高得点の機能が必要、この機能が低下している高齢者を集めた
・・産総研しき認知的加齢試験
・・視点カメラ、全景カメラ
・・課題 乗換、トイレ、ATMを利用する
・被験者行動のコーディング
・・行動、ふるまい、発話、、、をリストアップして整理
・まとめ案内サイン利用にかかる問題をまとめる、各ユーザーごとに対応をまとめる

事例:不案内ルートを運転中の気の利いた案内
・運転者にとって気の利いた情報とは
・・運転目的、安全、目的に迷わす到達、経路上の事象への関心
・エリートモニター選定、Webアンケート、情報提供者としての適正を考慮(おせっかい、まめ、きがきいている)10組
・実路走行の記録、カメラ2台、 運転者・助手席、前方
・分析・モデル化 1859件、結果:道案内、運転者支援、説明など
・分かりやすい道案内、赤い自動車のあとについて曲がってください。(情報量がすくない、作業記憶がすくない)

事例:プロ野球の試合の球場での観戦行動
・ファンが倍増している、札幌ドーム
・フォンロイヤリティの成長過程
・・3種類のファン=プレファン:チケットを買わない→ファン:自分でチケットをかつ→リピーター
・・それぞれのファンを継続する理由、ファンの種類を変える理由
・・回顧インタビュー、野球中継映像、観戦する様子
・ファンロイヤリティ進化ダイアグラムを9人分作る
・・縦軸 ファンの分類・度合い、横軸は時間
・ファンロイヤリティ進化モデル
・・ファンの分類を帰る、きっかけはなにかを調べる
・ファンステージの遷移
・・プレファンの時にどのようなプレファンかによって、どのようなリピーターになるか変化する
・・観戦スタイルと観戦場所、応援が主体か、試合が主体か

感想:リクルーティングを論理的におこない、定性調査でも多くの人数をやっていることがすごいと思いました。ユーザーエクスペリエンスを考える場合、時間軸で考えることは当たり前のことなので、それをきちんとやっているという感じがしました。

後半は、各セッションに分かれました。僕は、樽本さんのアジャイルUXの潮流に参加しました。

セッションD】 アジャイルUXの潮流


川口 恭伸氏(株式会社QUICK)のお話し
明日から使えるスクラムのエッセンス
・スクラムは、ソフトウェア開発における軽量なアジャイルソフトウェア開発手法の1つ
・New Product Development Game, 野中郁次郎
・ラグビーのスクラムを名前のヒントにした。
・厳しい環境で最善の成果を求める
・ビジネス状況の変化に対応する
・プロセス・ツールよりも人間と対話を、完全なドキュメントより動くソフトウエア、契約交渉より顧客との協調作業、計画の遂行より変化への対応
・タイムボックス化 Time Boxed 週や一日のリズムを作る
・見えるか Visualization 
スクラムをやるには
1.価値をリストに、プロダクト・バックログという手法で表現する
・ワーク:ToDoリスト
・手法:プロダクト・バックログ=ユーザーがしたいことをリストアップ
2.ワーク:規模見積もり(相対見積もり)
・手法ブランニングポーカー
3.スクラム会議(毎日)
・ワーク:朝会 15分
・朝会:Done昨日やったこと、やっていることDoing, やるべきことToDoを確認する
4.報告会(1-4週間)
・ワーク:スプリントレビュー
5.やり方を改善する
・スクラムボード(Todo, Doing, Done)
・このまま続けてよかったこと、


樽本さんのお話し
アジャイルUX(=UCD、HCD)
・ISO 9241-210
・Agile Sprint 2-4weeks
・Agile HCD
・アジャイルでは、スプリントという工程でソフトウエア開発を4週間程度で、おこなうが、そのスケジュールにHCDの活動をそのままあわせるのは無理。
・Kent Bech(Agile側)事前の詳細設計は開発のボトルネックになる。Alan Cooper(HCD側)は、開発始める前に十分に設計を行うべき。意見があわない。

僕の感想としては、HCDの考え方は、ともすると官僚的、書類づくり、ウォーターフォール的になりがちである。 Agileの考え方は、ユーザーのことを忘れがち。 その両者のよさと問題点を考慮したデザインプロセスと活動が必要。


・これまでのHCD-Netの活動はこちら

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